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~得する税務・会計情報~ 第268号 相続等による公益法人等への財産の寄付(相続税法12条・措置法70条・措置法40条の違い)
相続が発生すると、まず相続財産の把握から始まり、遺産分割協議へと進んでいきますが、時間はすぐに経過してしまいます。また亡くなられた方の遺志や相続人の意思で、公益的な事業に役立たせた上で相続税の負担の軽減を考える方も多くおられます。
寄付をする人が被相続人からなのか、相続を受けた方なのか、相続税の問題なのか、譲渡所得税の問題なのか、相続税、相続税関連の措置法、所得税関連の措置法との関係を整理しておかないと、誤った処理をしてしまいますので、これらの関係を文章と図解で整理してみます。
詳しい説明並びに図の方は、下記からご覧ください。
1.被相続人からの相続又は遺贈(相続税法12条1項3号)
相続人又は受遺者が公益事業者(宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者で政令で定めるもの)で、当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なものである場合は、これらの財産は相続税の課税価格に算入されません。
2.相続人等から国地方公共団体、特定の公益法人への寄付(措置法70条)
相続直後に相続人が特定の公益法人等に遺産を申告期限までに寄付した場合で、二年以内に公益目的事業の用に供している場合は、非課税の相続財産となります。ただし、次に述べるケースとは違い、既存の特定の法人に対する寄付に限ります。
3.贈与・遺贈により取得した財産の国、公益法人等への寄付の場合(措置法40条)
個人が土地等の財産を寄付すると時価で財産の譲渡があったとみなされますが、国税庁長官の承認(申請は贈与等の4か月以内)を受けた場合は譲渡益には課税されません。
国や地方公共団体への寄付には要件はありませんが、公益法人等への寄付の場合は、その贈与又は遺贈が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与することその他一定の要件を満たさなければなりません。上記2.の場合と違い、これらの法人を設立するための財産の提供も含みます。