会長の部屋
CHAIRMAN'S ROOM
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金子秀夫先生のストックを抱えた低重心の直滑降スタイルはどう見ても10代に見える。
高村先生はコブコブ急斜面をウェーデルンで納得いくまで挑戦する。
その後を友部幸子先生が女性らしく優雅に安定したすべりで続く。
私はといえば、束の間のウェーデルンもすぐにまくれて30~40メートル頭から落下。
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雲一つ無い真っ青な空。イゾラの山頂から望む360度の大展望。真っ白い雪をかぶった羊蹄山。間近に見える洞爺湖とその向こう側に見える内浦湾。そして何と洞爺湖の横の丘頂上には、我々家族が今年の正月4日間過ごしたホテルエイペック洞爺が見えるではないか。
3日間とも最高の好天気で我々を迎えてくれたルスツ高原イゾラの雪を、今またこうして思い起こしている。
学生時代より30年間、殆ど途切れることなく続いていたスキー行。昨シーズンはスキー行の予定が全て結婚式や葬式で潰れてしまい今シーズンこそ必ず行くぞ、と意気込んでいた矢先に芝刈会の谷川哲雄先生よりこの会の存在を知る。
平成6年1月28日。AM4時30分起床。羽田空港6時集合に間に合わすべくタクシーに乗り込む。
定刻には全員が集合し、初参加は私と平塚先生の2人。どのような顔ぶれが参加されるのかと不安と期待で初顔合わせをする。芝刈会のメンバーも多く、和やかな雰囲気の中に溶け込んでいく。男性7人、女性5人の一行12人(平均年齢34.7歳……正確に計算した訳では無いが精神及び肉体年齢の平均ならもっと若いかも)を乗せたJAL503便は、予定を30分遅れ羽田を背にして新千歳空港を目指す。
羽田を飛び立つころ降り出した東京の雪は翌土曜日には7センチの積雪で夕方の千歳行きは欠航との報を後刻知り、我々芝支部一行の日頃の行いの良さから当然の結果と全員にて再認識する。
千歳からルスツまではバスにて約2時間弱。雪の支笏湖を横に眺めながら雪深い白銀の世界を一路バスは慎重に進む。前日の睡眠時間が3~4時間の人が多かったせいか、バスの中のワインが効いたのか、若年層メンバーのたわいない軽妙な会話を睡眠薬代わりに一行は深い眠りにつく。
バスガイドの声で眠りから覚めた一行は、銀世界の中に現れたログハウス風のレストハウスでトイレタイム。ここのトイレがまた豪華。自動演奏のグランドピアノがトイレの入口に置いてあり、演奏を聞くスペースもまた広い。一見の価値あり。
お昼過ぎルスツリゾートホテル着。正月にも洞爺からこのホテルに来たが、とにかく横に長いホテルで、はじからはじまで歩いて10分はかかる。
ホテル内にメリーゴーランドが廻りディズニーランド的雰囲気を醸し出しているホテルで、なんともにぎにぎしくうきうきする。
一行は身支度もまどろっこしく感じながら、早速ホテル前のゲレンデに飛び出す。
零下15~16度位の晴天の日で一歩一歩雪を踏みしめる度にキュッ、キュッと雪が鳴き、サラサラット崩れる。本土の雪ではまず聴かれない雪の泣き声。雪質が最高に良い証拠だ。
一時間あたりの輸送能力は北海道一であり、リフトやゴンドラはWEST・MT、EAST・MT、MTイゾラの三つの山に26コースのあちこちに架かる。
距離もまた長くて広い。イゾラグランコースは3.5キロ、2キロ以上のコースが6本もある。
スキーは実にいい。ウェアに身を包み、ゴーグルと帽子をつければ年齢は関係なし。
皆20~30歳代に見える。当スキークラブ生みの親といわれる一行の最年長金子秀夫先生のストックを抱えた低重心の直滑降スタイルはどう見ても10代に見える。
とにかくぶっ飛ばす。さあ行きましょう、といったらとにかく一気に休まずリフト乗り場まで、2~3キロの全力滑走。ゲレンデが空いているのと雪質が抜群の為ついつい追いかけてしまう。
ノンストップ高速滑降の金子先生に対し、高村先生はコブコブ急斜面をウェーデルンで納得いくまで挑戦する。その後を友部幸子先生が女性らしく優雅に安定したすべりで続く。
私はといえば、束の間のウェーデルンもすぐにまくれて30~40メートル頭から落下。大いに見せ場を作る。
アフタースキーは、ウイスキー片手に宴会。東京より持ち込んだシャンペンで乾杯し、仲間の部屋に全員集まっての歓談。女性人も含め皆アルコールに強い。どうして職業会計人はアルコールが強いのか? この職業についたためにアルコールに強くなったのか、アルコールに強いからこの職業を選んだのか? 一人一人に聞いてみないとその答えは出そうもない。
折しもテレビでは細川・河野トップ会談で政治改革法案の成立合意のニュースが流れる。
細川首相大々好きな、呉圭子先生の年相応の黄色い歓声があがる。
この盛り上がりの中でただ一人床のジュータンでいびきをかいているのが、最年少の安恒先生(皆からツネボーと言われ、一生この通称が付いて廻るのかと不安におののいていたのが印象に残る)我々が部屋に戻る頃にムックリ起きだしてまた一騒ぎ。
前日の睡眠不足にも拘わらず、谷川先生の部屋の若手グループは7時過ぎには朝食を済ませ一足先にゲレンデへ。
相澤康晴先生の帽子の尻尾の金髪ヘアーが早朝のパラレルシュプールに心地よくなびく。
テニスコートは平らなのにゲレンデはどうしてこんなにコブがあるのかしら? と自問自答していた? 中畑孝子先生。
ゴルフではいつもフェアウエーキープの西村素枝美先生、どうしてスキーは曲げなきゃいけないの? とは当然の疑問。
颯爽たるたる衣装に身を包んで現れた幹事役の世話人長田啓子先生。いろいろありがとうございました。
とにかく今回のスキー行が、雲ひとつないピーカンの晴天に恵まれたのは、初参加の平塚剛先生と私の普段の行いがこよなく良かったからであるとの結論に達したのは余りにも自己中心的結論だろうか?
スキーは楽し、老若男女に関係なし。どんどん芝支部のスキー行に参加しよう。