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相続税取得費加算の特例

本日3月15日は令和3年分の所得税の納付期限日です。納税者の皆様、申告書作成作業に携わった方々お疲様です。

今回は土地や株式の譲渡所得の申告が例年より多かったように思います。

その譲渡所得は、土地や建物を売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。

取得費には、土地や建物の購入代金、建築代金、仲介手数料、登録免許税などがありますが、

相続税の一部を取得費に加算することもできます。

この取扱いを相続税の取得費加算の特例といい、亡くなった日から3年10ヵ月以内に相続したものを売却した場合には、所得税の負担を少なくしましょうという制度です。つまり取得費が増えれば、売却収入から控除できる部分が増えますのでその分、譲渡所得が減り所得税も減ります。

具体的には、2億円の財産を相続し、相続税を2,000万円支払った人が、相続財産の半分の1億円を売却すると相続税の半分の1,000万円を取得費に加算することができて譲渡所得が減りますので、税率が20.315%ならば1,000万円×20.315%=2,031,500円の節税となります。

この取得費加算の主な要件は

① 相続、遺贈、死因贈与により財産を取得した個人であること

② その財産を取得した人が相続税を納めていること

③ 相続した財産を3年10ヵ月以内に譲渡していること

です。

ただし注意点もあります。

この特例は譲渡した資産ごとに計算しますので、譲渡益のある資産にしか適用できません。

そのため例えば相続した複数の上場株式を売却した場合、売却益の出た上場株式分の取得費しか加算できません。

また、譲渡財産の売却益以上に取得費加算をすることはできません。

さらに、代償金などを支払って取得した不動産を売却した場合、取得費に加算できる金額が減少し、その効果が減殺してしまう等のケースもあります。

上記のようなトラップ(?)が多い取得費加算の特例ですが、適用に当たっては是非税理士法人優和までご相談下さい。

埼玉本部 瀬島