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基本財産投資有価証券をオーバーパーで買う場合

基本財産投資有価証券をオーバーパーで買う場合の
柔らかい検討をしてみますので、
ご指摘あればよろしくお願いします。

前提

基本財産預金1,000を当初有していたとする。
基本財産有価証券を期首で買うとする。
一旦、仕訳を公益法人会計ではなく、企業会計ベースで考えたとする。

場合① もしも、取得価額1,000 額面960の有価証券(償還2年)を買ったならば…

  • 購入日   基本財産有価証券 1,000 /基本財産預金 1,000
  • 1年目決算 基本財産有価証券利息 20/基本財産有価証券 20
  • 2年目決算 基本財産有価証券利息 20/基本財産有価証券 20

場合② もしも、取得価額1,040 額面1,000の有価証券(償還2年))を買ったならば…

  • 購入日   基本財産有価証券 1,040/基本財産預金 1,000
               普通預金    40
  • 1年目決算 基本財産有価証券利息 20/基本財産有価証券 20
  • 2年目決算 基本財産有価証券利息 20/基本財産有価証券 20

ここで、公益法人会計の観点から上記問題点を把握すると…。

場合①
たとえ、償却原価法は会計上の処理(参照 http://www.watanabe-cpa.com/business/50/)
「公益法人会計基準の改正等について」(平成16年10月14日公益法人等の指導監督等に関する 関係)とはいえど、基本財産維持が困難となる。
上記例示によれば、n年後基本財産額(Y)は当初基本財産額をXとおけば、
 Y=(0.96)^(n/2)X{ただし、n=2m、mは正の自然数}
と、n→∞になれば究極的には0になってしまう。

場合②
たとえ、償却原価法は会計上の処理(参照 http://www.watanabe-cpa.com/business/50/)
「公益法人会計基準の改正等について」(平成16年10月14日公益法人等の指導監督等に関する関係)とはいえど、購入日の基本財産額よりも、償還日の基本財産額が減ってしまう。

よって、問題点の克服法としては…。

①②共に、下記仕訳(取引)を追加する。
{借方の預金につき普通預金だと基本財産に馴染まないとの発想も考えられますが、規程により拘束性を強くするか、短期の定期預金にするのも一つの方法です。個人的には普通預金で良いと考えます。}

  • 1年目決算 基本財産預金 20/普通預金 20
  • 2年目決算 基本財産預金 20/普通預金 20

まとめ

①②共に、償却原価法によって減少していく金額については、償却原価に見合った分を流動資産から基本財産へ充当して対応していくこととなるでしょう。
ただし、①の場合は基本財産額が変わりませんが、②の場合は基本財産額が増加するという相違はあります。


基本財産投資有価証券をオーバーパーで買う場合について小学生にも解る話をしてみますので、ご指摘をあればお願いします。
お鍋にたまってる水=流動資産、マグカップ=基本財産

前提

お父さんの願望 :マグカップに水を常に満杯にしてほしい。
坊やの仕事   :マグカップに水を汲む事。

場合①
坊や:お父さん。このマグカップの水、今は満杯だけど、時間がたつと蒸発してしまうんだよね。
お父さん:そうかー。でも、マグカップの中の水は常に満杯にしておかないとお母さんにしかられてしまうぞ。
坊や:じゃあ蒸発した分を、お鍋のお水からマグカップの中に入れればいいんだよね。
お父さん:その通り!お鍋のお水は減っちゃうけど、マグカップは満杯になってるから大丈夫だ。
坊や:これならママもOKさ!

場合②
坊や:お父さん。今お水を買ってきたんだけど…。
お父さん:ご苦労さん。
坊や:でね、、、このお水も蒸発するんだよ~。だから、時間がたてばこのマグカップ丁になるんだけど、今全部入れたら溢れてしまうよ~。
お父さん:そうかー。じゃあ、この200ccのマグカップじゃなくて、250ccのマグカップを使いなさい。
坊や:わーい。全部お水が入ったー。
お父さん:そうだね。満杯だね。
坊や:じゃあ今度も、蒸発したら、分だけ、お鍋のお水からマグカップの中に入れればいいんだね。
お父さん:確かに、お鍋のお水は減っちゃうけど、マグカップは満杯になってるから大丈夫だ。
坊や:これならママもOKさ!

注意

①②共に、夏休みの自由課題で小学生が実験したとしても、公益法人に関わった事のある先生しか、理解してくれません。
①の場合は問題ありませんが、②の場合、お父さんが新しいマグカップを買うとしたら、その分お父さんのお小遣いが減ってしまいます。

東京本部 会計士補 笠田朋宏