スタッフブログ

STAFF BLOG

突出

大相撲夏場所五日目終了時点で35連勝。2場所連続全勝優勝中。史上初の3場所連続全勝優勝へ突き進む。大相撲第68代横綱、朝青龍です。
この連勝記録は、双葉山69、千代の富士53、大鵬45に続く大記録です。今場所も全勝なら45連勝となり、ついに大横綱に肩を並べることとなります。

「今、(横綱に)勝てそうな力士はいないんじゃないの。スピードがすごい。速いだけなら他にもいるが、あの横綱は速さに力強さがある」元大関雅山の“脱帽コメント”である。 
筆者も長いこと大相撲を見てきましたが、これだけの比類なき突出した強さを見せる力士は初めてです。まさに空前絶後。
十両から幕内に上がったばかりの頃の小錦。13場所で優勝10回、相星決戦負け2回、準優勝1回の頃の貴乃花。若い頃のガチンコの千代の富士。大乃国戦の本気の板井…など、無敵の力士は数多くいましたが、今の朝青龍は…。
ただ勝つだけでは飽き足らず、『つり落とし』(文字通り、後ろから吊り上げて土俵に叩き落とす荒業)に固執し、そのまま送り出そうとすれば勝負はとっくに決まっているにもかかわらず、執拗に狙い、決まらずにしょうがなく送り落とし(これも荒業)で勝つと、『いやー悔しいね狙ってたのに』と一言…。おいおい(笑)
184cm 136kgと小柄な体から力士の限界を超えたスピードと角界一ともいわれる腕力。なおかつ角界一の稽古量(この20年で一番しょぼい大関陣など全く稽古をしません)。これでは差が開く一方です。

これからの大相撲界の流れなど…(前コラムでも書きましたが)
朝青龍はまだ23歳。これから5年で何回優勝するか…25回以上優勝するかもしれません。今まで通算6回ですので大鵬の32回に届くか? というくらい突出した存在です。またこれだけ若手有望力士がいない惨状ではどうしようもない。まあまあ食い下がりそうなのは若の里、北勝力、黒海、白鵬くらい。新十両の萩原、琴欧州には多少の多少期待をしているが…(殆ど外人だこりゃ)。

現在の力士のアンケートによると、力士になった理由の殆どが、『体がデカいから』『親の薦めで』『他の選択肢がなかった』『嫌々』…そしていつも『辞めたい』『逃げたい』と考えているとか。目標が横綱と言うと笑われる。現実の目標は幕下。十両になったら大喜び…だめだこりゃ。
それじゃ死ぬ気でやってる外人には勝てねえよ。

(2004.5.14 T.K)