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私は水族館が好きだ。というよりも、無心に泳ぐ魚を見ているのが好きだ。

水族館には、動物園的な哀しさがないのがいいと思う。動物園にいる動物は、人生に疲れているように見えたりして、色々な事を考えさせられ、私を段々息苦しくさせる。その点、水族館にいる魚は「泳ぎ続ける事が人生だ」という感じを醸し出しているのがとてもいいと思う。

水族館にいる魚の中でも、私は特にマンボウが好きだ。マンボウの水槽が近づいて来ると、いつも少しドキドキする。そして、マンボウの水槽の前にずっといると、大抵の人がマンボウを見て、「何、あれ。変なの。」とか、子供の場合は「あの魚、尻尾が切れてるよ。」などと言ってはあっという間に通り過ぎていく。私は自分の身内がバカにされたようで、少し悔しくなったり、ムッとしたりする。

「最近どうも調子が悪いな。」と思うとき、私は一人で水族館に行くこともある。泳ぐ魚を見ていると、何となく元気になったり、気分がすっきりしたりする。
ある時、一人の友人が「女一人で水族館に行くなんて、ナンパ待ちだと思われるよ。」と親切に（？）忠告してくれた。しかし、その友人と共に水族館にいったところ「あんなに熱心に魚を見てたら、あやしい人と思われることはあっても、ナンパをされることは絶対ない。」と太鼓判を押された。それはそれで少し悲しい。そもそも、水族館は一般的には家族やカップルで行く所らしく、一人で行く人があまりいないということも言えそうである。

（2003.6.18　M.W.）