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外国人横綱の悲哀

先日、曙親方(曙太郎)の日本相撲協会退職、格闘技K1参戦が発表されました。
記者会見で「横綱の誇りを胸に新たな道に挑戦したい」「3人の子供に父の戦っている姿を見せたかった」と参戦の動機を語り、「勝負勘がなくなって引退したわけではない、横綱はじっくり休んでじっくり怪我を治すことは出来ない」と、ひざの怪我が回復したことで格闘技への情熱が戻ったことを理由にあげました。
しかし、記者から『年寄株を入手できていたら今回の退職はなかったか?』と聞かれ、少考した後、苦渋に満ちた顔で「うーん、微妙ですね」と本音を語りました。

ここまでの会話だけで、曙(以下曙)の一連の様々な問題が推察できます。
まず3億円ともいわれる年寄株の取得の難しさ。東関親方(元 高見山)の娘との縁談を断ったため東関株の入手が困難となり、それにより後援会が曙から離れたという噂も聞きます。 横綱は引退後特例として5年間現役時のしこ名で日本相撲協会にとどまることが出来ますが(ものすごい実績を残した横綱にだけ一代年寄といって生涯その名の年寄株を与える制度もありますが、今まで大鵬、北の湖、千代の富士だけ)
その間に資金を調達出来なかった曙には他に道はなかったのでしょう(その間いろいろな事業を失敗した)

現役時の通算成績566勝198敗、勝率、740。優勝回数11回は歴代7位。長野オリンピックでの土俵入りも記憶に新しい。英語の話せる親方として、また高見盛を育てた指導力にも定評がありました。これだけの大横綱が、『金がない』という理由だけで日本相撲協会を苦渋の決断の末退職。こんな話しを聞くと悲しい気持ちを通り越して、あきれ果てます…なんじゃそりゃ!! 武蔵丸の引退により問題山積外国人横綱、朝青龍ただ一人に相撲会を引っ張ってもらうしかない惨状。また若手有望力士はモンゴル人とロシア、グルジア等の外国人だけ。九州場所など客の入は5分から6分。どうみても先が見えてる大関陣。将来の唯一の横綱候補、若の里は覇気のない相撲で負け越し。相撲を小学生の頃から見ている筆者にも限界が近い…。

曙の今後について。
あの体で両膝の状態は最悪。日常生活にも支障があると聞きます。スパーリングでもスタミナ不足でふらふら。パンチを受けてぼこぼこ。総合格闘技なら体格の差だけで圧倒出来るかもしれないが、K1はキックボクシング。膝へのローでいちころ。再起不能の可能性も…。今回はキックが素人のボブサップが相手なのでなんとか勝てるかもしれないが…。北尾の二の舞を踏む可能性絶大。しかし、体重が10キロ違えば階級が全く異なるボクシングの世界。筆者個人としては体重200キロ超の曙の本気のパンチはタイソンをも凌駕する…と夢をみてますが。

(2003.11.28 T.K)